総量規制のおかげでヤミ金が流行ってしまった理由のひとつだ

これはかなりの数の識者が言っていたことではあるが、今ではそちらのほうが正しかったということになるだろう。有名な歴史としてアルカポネの話がある。アル・カポネはアメリカのギャングとして有名であるが、その時代政府はお酒を飲むことを禁止したのだ。当然酒の製造も禁止したために多くの人達はアルコールを飲めなくなってしまった。と思われていたのだが、実はそんなことはなくて多くの人が家でアルコールをどぶろくのように醸造したり、もしくはマフィアがアルコールを製造して売りさばいていたのだ。そしてこのお酒の製造販売の禁止という法律がまわりまわってマフィアの財源になったという話がある。これが有名な歴史である禁酒法の話である。ここから多くの政治家や歴史学者は「あまりに厳しく禁止をしてしまうと、表ではなく裏でいろいろやる人が多くなってしまう」ということがわかったのだ。

しかし日本の場合は街金を取り締まるために総量規制を盛り込んだ法律を作ってしまった。この法律が提案されるまでに多くの識者が「総量規制のおかげで街金が潰れてしまう。そして多くの人がヤミ金に流れてしまうだろう」と言ったのだ。しかしそれでも総量規制のある法律が成立してしまったために、多くの街金が廃業に追い込まれてしまった。今まで街金を使っていたような消費者は当然銀行系カードローンなどは使えないために、どこかで借入れをしないといけないということでヤミ金に走っていってしまったのだ。多くの人がヤミ金に流れてしまったと言われている。

つまり禁酒法の時代と同じようなことが送料規制によって起こったとされているのだ。ヤミ金に流れてしまった人たちというのは表の統計では出てこないので、結果的に街金が潰れてしまったおかげで借入額自体が減ったという点で評価する人たちもいるが、全く間違っていると言わざるをえない。基本的には総量規制のせいで多くの人が路頭に迷い、街金も倒産し、そしてアンダーグラウンドに流れてしまったのだ。まさに平成の禁酒法だったといえるのではないだろうか。

閉じる